池上本門寺、堀之内妙法寺と並ぶ雑司ヶ谷鬼子母神の御会式をご案内いたします。
御会式とは宗祖様の法要1年に一度お会いできる日、という意味だそうですが、現在では「御会式」といえば即日蓮上人の…という印象があるのではないでしょうか。
日蓮上人は10月13日に池上の地でなくなりましたが、不思議なことにお寺の庭の桜が満開に咲いていたそうです。そしてお弟子の一人が上人の入滅を鐘を鳴らして伝えたといわれています。
法明寺では13日は法要だけで 16~18日に御会式(万灯練供養)を行っています。
和紙で作った花をたくさんつけた枝垂桜様の万灯が、纏(まとい)や高張り提灯を先頭に何台も練り歩き、その間をうちわ太鼓や鉦を鳴らしながら大勢の人が続きます。たくさんの万灯が続く風景は、幻想的でもあります。
10月14日万灯の準備ができているらしいと聞いたので見に行きました。
ちょうどボランティアガイド「としま案内人雑司ヶ谷」の方がお客様を案内中で、講の方が説明していらっしゃいました。
三嶽中島講では10月6日に和紙で花を作り8日に小屋を立て万灯を設置したのだそうです。
万灯の中心には長い竹竿が通っていて、纏のように上下にゆっさゆっさと揺すると、花がついている枝がふわっふわっと広がって、それはきれいだそうです。でも万灯はとても重いので、練道中は基本的に台車に乗せ、ときどきパフォーマンスもするということらしいです。
鬼子母神近辺には、いたる所にこの万灯が立てられていました。
こうして準備万端整えていよいよお練りです。16日には町内まわり、17日は清土鬼子母神から出発。そして最終日18日はクライマックス。
前日から雨が降ったりやんだりでしたが、万灯の花は枝1本ずつビニールに覆われて、濡れないようになっていました。
他地域からの応援もあって、50以上の講がJR東口前に集合。西武デパート前の先頭では出発式が行なわれ、7時の花火を合図にいっせいに出発です。
交通規制された明治通りを粛々と、しかし賑やかに千登世橋から目白通り、そして鬼子母神境内までつづく大練供養。最後は法明寺祖師堂にお参りに行きます。最後尾は時として深夜にまでおよぶ一大風物誌です。歩道は大勢の見物客で埋まり、外国の方が写真を撮っている姿も見かけました。
鬼子母神の参道には露店が所狭しと並び、人々でいっぱいでした。
江戸時代から連綿と伝わる年中行事として、宗教を越えて地域全体の人々が待ちわび、楽しむお祭になっているようでした。まさに、日本の文化であると言えるでしょう。
(注:雑司ヶ谷鬼子母神では鬼の字は上にノ(角)のない文字を使います。パソコンにはそれがないため便宜上「鬼」を使っています)